テレワークで部下のやる気を高める上司の行動・話し方チームと切り離された環境のなかでは、部下がモチベーションを維持していくのが難しくなってしまう(写真はイメージです) Photo:PIXTA

全国11都府県で二度目の緊急事態宣言が発令され、再びテレワークに移行する企業が増えました。とはいえ、導入からまだ日が浅く、まだまだ誰もが効率的なやり方を模索している状態ではないでしょうか。特に、対面で指導できなくなったことで、部下とのやり取りに難しさを感じている管理職も多いといいます。そこで前回に続き今回も、人材育成コンサルタント産業カウンセラー・片桐あいさんの新刊『テレワークで部下を育てる』(青春出版社)から、テレワークの環境下で部下のモチベーションを高める方法を解説します。

オンラインだからこそ、より部下を理解する努力が必要に

 仕事をするうえで、モチベーションは重要なキーワードのひとつ。日々、仕事に向き合うときに、エネルギーの源になるからです。特にテレワークの環境では、リアルな状況よりもその重要度が一層高まります。

 モチベーションとは、何らかの目的や目標があるとき、自分の内側から湧き出てくる動機づけや目的意識のことです。しかし、テレワーク時のオンラインという環境のなかでは、周りの人との接点が持ちづらくなるので、上司や先輩、同僚などと目的や目標を共有するのが難しくなります。

 リアルの環境では、同じフロアのすぐ近い席に上司がいて、隣には仲間がいるといったなかで仕事をします。上司や仲間が仕事に懸命に取り組む姿は、特に見ようとしなくても、自然と目に入ってきます。何か問題やトラブルがあったときには、励まされたり気づかう言葉をかけられたりもするでしょう。こういったリアルな職場の日常のなかで、周りから触発されてモチベーションがより高まっていくことも大いにあり得ます。