資産1億円の作り方#9イラストレーション:平戸三平

米国株投資のおかげで資産1億円を築き、早期リタイアを実現したエル氏は、妻と子2人の生活を支える大黒柱。サラリーマンを辞めた現在も家計の担い手はエル氏だ。特集『資産1億円の作り方』(全19回)の#9では、米国株投資の収益で生活費を稼ぎ、さらに金融資産を積み増しているというエル氏に、日本株ではなく米国株を選んだ理由を聞いた。(ダイヤモンド編集部 藤田章夫)

米国株と日本株の比率を
7:3にしている理由

――日米の個別株や投資信託など、ポートフォリオ(組み合わせ)はどのように組んでいるのですか?

 まず、私の場合、投資信託の割合はすごく少ないのですが、投信と個別株を合計すると、おおむね米国株7割、日本株3割という比率ですね。

――以前からほぼその比率で推移しているのでしょうか?

 そうですね。結果論ですが日本株は、ニトリホールディングスやファーストリテイリングのように長く上昇し続けている銘柄もありますが、それは限定的。全体としては上がったり下がったりを繰り返すボックスの中で動くという感じが強いです。もちろん私見ですが。

 一方、米国株は、アマゾン・ドット・コムでなくてもメジャーな銘柄を買ってずっと持ち続けていれば、株価が上がる銘柄がそれなりにあります。また、何十年も連続で増配を続けている銘柄も、日本企業に比べてすごく多いですね。あまり細かいテクニックを労さず、順張りで持っておけば稼げるのは米国株だと考えた結果、米国株の比率を高くしました。

 リタイア後は時間ができたので、日本株でも細かく分析すれば利益を得られるとは思います。ですが、私は投資をするために仕事を辞めたわけではなく、逆に、投資にかける時間にある程度歯止めをかけたいぐらいなので。とは言っても、家族4人が生活していかなくてはいけませんから、米国株は「バイ・アンド・ホールド」にして、残る3割の日本株の一部を、毎月の資金繰りを見ながら売買しているという感じですね。

――目下のコロナ禍を踏まえて、市場の先行きをどう見ていますか?