戦略の基本は「非戦・非攻・非久」

善く兵を用うる者は、人の兵を屈するも、戦うに非ざるなり。
人の城を抜くも、攻むるに非ざるなり。
人の国を毀(やぶ)るも、久しきに非ざるなり。

これは自分にしかできないという「オンリーワン」の分野を持ちなさい。そうすれば戦う必要もなくなる。よしんば争いごとが生じても、長引かせないことを第一義とするべきである。

 これは「非戦・非攻・非久」といって、孫子が戦略の3つの基本とするものです。

 一つ目の「非戦」は、前述したように、とにかく戦っちゃあダメなんだ、戦わずに勝つ方法を考えなさい、ということ。

 そのために大事なのは、ビジネスでも人生でも、こちらが誰にもマネできない、自分にしかできない「オンリーワン」の分野を持つこと。勝てないとわかっている相手に、好んで戦いを挑んでくる者などいません。

 次の「非攻」は、自分から力ワザで相手をねじふせるようなことをしてはいけない、ということ。勝てる相手であればなおさら、わざわざこちらから仕掛けることはありません。戦争で言うなら兵糧攻めとか水攻めとか、相手が追い詰められて内部から崩れていくのを待てばいいのです。

 ビジネスにおいても、自分が圧倒的な実力を持つことで、ライバルを不利な状態にすればよいのです。

 そして第3の「非久」は、「もう争わないわけにはいかないな」となったら、それを長引かせてはいけない、ということ。

 ビジネス上の競争でも、人間関係のもめごとでも、争いが長引くと泥沼化して双方が疲弊するだけ。緒戦に全力投入し、勝って主導権を握り、早いうちに切り上げることが肝要なのです。

「負けるが勝ち」ということもありますから、当面は相手にわざと勝ちを譲ることも戦略の一つでしょう。その意味では、「10年後には勝つさ」と確信できる長期的な戦略がモノを言う、とも言えますね。