アマゾンが売上高40兆円の超巨大企業でも「37.6%成長」を実現できる理由Photo:Diamond

 米国ビジネススクール講師である著者が、グローバル人材のための「決算書の読み方」を伝授する本連載。基礎編で学んだ決算書をベースに企業のビジネスモデルを検証していきます。

 本稿は、決算書のエバンジェリスト(伝道師)である大手町のランダムウォーカーさんと会計コラボレーションイベントをしたとき時の一部コンテンツを抜粋したものです。「海外決算書を読み解く」というような難解なメッセージではなく、クイズを通じて企業のビジネスをイメージしてもらうことで、皆さんにもっと海外企業のビジネスを知ってもらえればと思います。

 今回は米国IT界の巨人たち、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)のうちの1社、アマゾンを題材に彼らのビジネスモデルを検証していきたいと思います。

「最高益」の裏側で動いた創業者の退任劇

 2021年2月2日、創業から現在までアマゾン王国を築いてきた現CEOであるジェフ・ベゾス氏が退任を発表しました。この日はアマゾンの通期決算発表日で、過去最高の売り上げの快挙を報告したにもかかわらず、それが霞んでしまうほどのビッグニュースでした。

 現在のアマゾンは、GAFAの中で売上高が最も高く、大企業になってもいまだに平均20%以上で毎年成長し続けるモンスター企業です。結果この10年で、売り上げ規模は10倍にまで膨れ上がっている状況です。最新の通期決算(20年12月期)の売上高は3860億ドル、日本円で約40兆円で成長率は37.6%増という驚異の数字をたたき出しています。

 GAFAの売上高推移をまとめた下記の折れ線グラフを確認しても、ダントツです。

GAFA売上高推移(百万ドル)各社の10K(2020)を基に筆者作成 拡大画像表示

 では、これをヒントに本日のクイズへ移りたいと思います。

 以下の「営業利益率の推移」を示すグラフを見てください。どれがアマゾンに該当するのか考えてみましょう(営業利益率=営業利益÷売上高)。

GAFA営業利益推移各会社10K(2020)より筆者作成 拡大画像表示