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刑事が実践している死を覚悟したときの対処法Photo: Adobe Stock

その瞬間、覚悟を決めた!
「撃っても頭だけは外してくれ~」

 極限の場面では覚悟を決めるしかない。あのときのことは今でも鮮明に覚えている。

 刑事時代、ヤクザの事務所に現場指揮官として突入することがあった。当時はある組同士の抗争事件の最中でもあり、チャカで撃たれる危険と隣り合わせだった。

 突入は上司が先頭で行くのが決まりだ。オレは現場でトップだったからもちろんのこと、扉を挟んでもう1人いた。部下の手は小刻みに震えていたよ。

 ちなみに、チャカとは隠語で拳銃を意味するが、引き金を引く際の「カチャッ」という音をひっくり返したものといわれている。まぁそんなことはどうでもいい。

 キミは拳銃で撃たれる恐怖を感じたことがあるか?

 オレはそのとき、こう考えていた。

「撃たれたら撃たれたで仕方ない。ただ頭だけは外してもらおう」

「なんてのんきな!!」と思うかもしれないが、オレなりの「覚悟」を決めていたのだ。

 腹を決める、そんな簡単なことではない。海外で銃口を突き付けられた経験を語る人もいるが、自ら撃たれに行く人間はいないだろう。刑事とはえらい仕事だと思う。

 生きていれば極限の場面は訪れる。そのときのストレスは計り知れないだろう。

 しかし、そんなときは「覚悟」を決めて臨むのだ。

「〇〇になると大変だから△△ならいいや」と、「まだまし」と思える条件を考えるのだ。

 人間、覚悟が決まると平常心になれる。死ななきゃなんとかなるものなのだ。