――奥様はミャンマーのどういったところが好きだと話をされていますか。

榎本氏 現地の従業員の人たちとの交流の中で、温かく迎えられていることを実感しているからだと思います。現地の人たちの「期待を裏切らない」という気質ですかね。

高井副社長 都市部であれば騙そうって人たちもいるんでしょうけど、うちの工場がある場所は、まだ素朴でホスピタリティがすごいありますよね。

――ヤンゴンですら十分ホスピタリティがあり素朴だと思いますが、もっと田舎に行くとより違うと。

榎本氏 全然違いますよ。気質も。

*  *

 ミャンマーに駐在している複数の人々に同様の質問をしているが、榎本氏のケースは極めて一般的な成功例だ。多くのミャンマーに長期間滞在している人々は、ミャンマーでの素朴な暮らしを満喫している。ある人は、ミャンマーということを特段意識せず、東南アジアの都市のひとつという感覚を持っている。

 そうした話から、一つの共通点に気が付く。それは、現地の社会に溶け込み、現地の人々との信頼関係をしっかりと築いていることだ。海外進出では、いかに現地に受け入れられるかがポイントだとはよく言われるが、駐在員の家族が円満に現地で生活する際にもそれは同じだろう。

*  *

――逆に奥様がご不満に思う点、ここは変えてほしいとおっしゃる点はどういうところですか。

榎本氏 医療面で何かあった時の問題点だけです。それ以外は格別不満に感じていることも無いです。

松谷会長 ヤンゴンでも医療面ではまだ不十分で、駐在員以外でも現地のお金持ちもみんなバンコク行きますよね。

*  *

 ミャンマー駐在の多くの方が問題点として医療面での対応を挙げている。なかでも、歯科医については、長期間現地に滞在している方でも、現地で診療を受けることに不安を感じるとの声は多い。多くの日本人の駐在者は、定期的にタイから来る日本人の医師に診てもらう形で対応している。また緊急の時に他国の大使館内にいる医療担当員に見てもらったとの話も聞く。医療面については、今後の改善が待たれる状況だ。

*  *