第一生命の「役員処分&人事」深読み、誰が割を食い誰が逃げ切ったのか

役員11名に対して
懲戒処分と報酬減額

 第一生命保険は2月12日、山口県周南市を舞台に起こった元営業職員による19億円超の金銭詐取事件の責任を明確化するべく、合計11人に上る役員の報酬減額等の処分を発表した。

 公表資料には明記されていないが、11人のうち5人が懲戒処分で、残りの6人は懲戒処分ではないが、報酬を自主返納することで、社内外に対して責任を明確にした形だ。

 加えて、第一生命ホールディングスと第一生命の執行役員以上についても、業績に連動する報酬の一部を減額するなど、事態の重さに鑑みた幅広い処分を行っている。

 これだけを見れば、大がかりな処分を断行したといえる。だが、第一の調査で判明したように、元営業職員が20年近くにわたり19億円超という巨額な金銭不祥事を起こしたことと照らし合わせると、果たしてこの処分で十分なのかという疑問が浮かんでくる。

 次ページから、処分内容とともに、21年度の役員人事について深読みしていく。