(1) 「少々お待ちくださいませ」とだけ言って、待ってもらう。
(2) 「今、社内を捜してまいりますので」と言って、待ってもらう。
(3) 「そろそろ戻ってまいりますので」と言って、待ってもらう。
(4) 「社内で打ち合わせ中ですが、すぐ呼んでまいります」と言って、待ってもらう。
(5) 「お約束の時刻までに戻ることはわかっておりますので」と言って、待ってもらう。

とにかく相手を待たせるな

 本問は、秘書検定からの問題であるが、正解は、(1)だそうである。私は、はじめ(1)のような対応は冷たすぎると思ったので、真っ先に除外してしまった。どうも私は、秘書にはなれそうもない。

 なぜ秘書検定においては、(1)が正解になるのか。その理由は、参考書の解説を読んでみると、「まだ約束の時間になっていないし、上司もその時間には戻ってくることがわかるから」だそうである。よくわからない理屈である。本当に、これでいいのだろうか。

 訪問客の立場になって考えてみてほしい。対応に出てきた人間が、「少々お待ちください」とだけ言って、さっさといなくなってしまったとしたら、不安にならないだろうか。

 たしかに約束の時間より前に来たのだから、その時間まで待つのがマナーであるとはいえ、「せっかく早く来たんだから、さっさと出てきてくれ」と思うのが自然だろう。

 私が訪問客なら、(2)または(4)のような対応を受けることを望む。とにかく、さっさと呼んできてほしい。もし、(1)のような対応を受けたら、たぶん私は顔には出さないが、ひどく不愉快な思いをするだろうし、メンツがつぶされたように思うので、その後の商談では、かなり厳しい対応をとる。担当者にいやがらせをすることが、あるかもしれない(いや、きっとする)。

 交渉においては、約束の10分前にはすべての準備を整えて、待っているのが正解である。相手にしても、約束の時間より早くあなたが待っていたら、「すみません、お待たせして……」と少しばかり遠慮する気分になるだろう。あなたを待たせてしまったという罪悪感があるため、その後の交渉でも、あまり強く出られなくなるのである。これが機先を制するというヤツなのだ。