人間関係の悩みやストレス、不安を抱えている人は多い。「緊張で心臓のドキドキが止まらない」「失敗したらどうしようと不安になる」「本番に弱い自分が嫌いだ」、そんな自分を変える元刑事のメンタル強化術『刑事(デカ)メンタル 絶体絶命のピンチでちびってしまう人でも動じないハートが手に入る!』を紹介。刑事生活20年。ガサ入れ、犯人確保、張り込み……修羅場という修羅場を潜り抜けてきた元警部による「心を強く保つ習慣」です。常に死と隣り合わせの環境下で巨悪と戦い、人を疑い、時には一般人に罵倒されながらも正常な心持ちで戦うために開発してきた、圧倒的自信と活力が楽しく備わる最強メンタルメソッドを手に入れてください。

刑事が実践している、クレームを受けた時の撃退方法Photo: Adobe Stock

「警察も暇だな!」と暴言を吐かれた。
激しくへこんだが3つのポイントで見事解決!

 オレも駆け出しのお巡りさんだった時代がある。ちなみに「お巡りさん」とは警察官が地域を「巡回」することから「お巡りさん」と呼ばれるようになった。そのお巡りさんは当然、交通違反の取り締まりも行う。

 軽微な違反者には難癖をつけてくる人も多い。人のよさそうな人間が暴言を吐いてくるのだから正直へこむ。

 今も忘れないが、バイクによる踏切の一時停止違反で中年男性を捕まえたときのことだ。

「こんな違反で捕まえて警察も暇だな!」
「こんな仕事するためにお巡りになったのか」
「もっと悪いやつを捕まえろ」

 ……言いたくなる気持ちはわかるが、むちゃくちゃなご意見には心が折れそうになることもある。

 しかし、自分の年齢の倍はあるであろう方にこう言ったのだ。

「私にも家族がいますが、あなたにも家族がいると思います。事故であなたの家族を悲しませたくないのです。だから私は今日もここにいます。気を付けて運転してくださいね」

 すると、その男性違反者は渋々と帰って行った。

 生きていると、理不尽な指示やクレームを受けることがある。そんなときには我慢することも大事かもしれないが、度を越えていたら、「丁寧に」「相手を思って」「感情的にならずに」言い返してほしい。意外にわかってくれるものだ。我慢することなんてないのだ。