飲みニケーション「若い人は宴会に来たがらない」「社員旅行なんてとんでもないと反発される」。その理由は?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

会社には意外と
「気楽に真面目な話をする場」がない

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

「当社は風通しのいい社風です」「社内のコミュニケーションがとれています」――。

 リモートワークが普及し、上司と部下、同僚同士が直接、顔を合わせる機会が以前より減り、社内のコミュニケーションがいっそう重要になっている中、このような経営者の自慢を聞くことがあります。

 経営者の自慢が的を射ているかどうかは、社員たちの思いや感じていることをありのままに話し、相談や協力をしやすくなる関係をつくる場が用意されているか否かでわかります。

 多くの著書を持つスコラ・コンサルト代表の柴田昌治さんは、著作の中でこのような場を「オフサイトミーティング」と名付けています。オフサイトミーティングの特色は、「気楽に真面目な話をする場」なのですが、実はそういう場がなかなかないのが現実です。

 例えば会議は「気楽ではなく真面目な話をする場」です。いくら自由な発言ができる雰囲気をつくっても、議題に沿った真面目な話に終始しがちです。

 一方、社内の飲み会は「気楽だけど真面目な話をしない場」です。コロナ禍の前は、上司が部下を誘ってお酒を飲みながらコミュニケーションを図ることを「飲みニケーション」などと呼びましたが、飲み会や宴会は気楽な会話が楽しめるものの、真面目な話はなかなかしないものです。相当酔いが回ってから真面目な話をする人もいますが、周囲は聞いていないし、本人だって何を話したか覚えていないでしょう。