【きんざい特別転載】企業の設備投資と新規採用を後押しPhoto:PIXTA

研究開発税制の拡充

 2021年度税制改正では、法人課税について、ウィズコロナ・ポストコロナに向けた改正が多く盛り込まれた。その一つは、コロナ禍の中でも国際競争力を失わないために、研究開発やデジタル化など、企業が前向きな投資を持続・拡大させることにインセンティブを与える制度の拡充である。

 まず、コロナ禍によって売上げが一定程度減少した企業であっても、研究開発投資を増加させるインセンティブが働くように、研究開発税制の改正が行われる。

 研究開発税制とは、研究開発投資を行った法人が、その事業年度において損金の額に算入する試験研究費の額がある場合に、一定額の税額控除を行うものである。具体的には、(1)その試験研究費の額に一定の控除率を乗じた金額、(2)法人税額に一定割合を乗じた金額(控除上限額)のうち、いずれか少ない方の金額を、その事業年度の法人税額から控除することを認める。