日経平均足もとで、日経平均株価の割高感は否めない。2021年の相場を見通す(写真はイメージです) Photo:PIXTA

2021年度は高成長の予想
日経平均3万3000円も不思議なし

 日経平均株価が1990年8月以来となる3万円台を回復し、続いて東証株価指数(TOPIX)が1991年5月以来となる2000ポイント台を回復するという歴史的な大返しを演出したのは、コロナ禍における未曾有の景気対策に他ならない。

 景気対策には、主に財政政策と金融政策があるが、コロナ禍では財政政策が景気の速やかな回復につながり、金融政策がリスクマネーを回復させ、割高な水準にまで株価を押し上げた。

 株価の先行きを考える前に、足元における株式市場を取り巻く環境を整理しよう。株価水準は、業績に比べてみれば割高である。日経平均株価のPER(株価収益率)は、足元の業績でみて30倍台、2021年度の予想業績でみても20倍程度と、割高感は否めない。

 もっとも、2021年度の景気は、世界的なコロナ禍による落ち込みからの反動もあって高成長が予想されている。さらに、2022年度も景気の拡大基調が続くとの期待が高いことを勘案すれば、株高は「バブルである」というほど高いものではない。

 仮に、2021年度のEPS(一株あたり純利益)を50%、2022年度のEPSを10%程度の増益とし、株式市場が2022年度の業績を織り込みに行く展開となれば、(予想PERが横ばいとすれば)日経平均株価は3万3000円程度まで上昇してもおかしくはない。