クックパッドコーポレートブランディング部本部長で、『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』著者の小竹貴子さんは、借金玉さんの著書『発達障害サバイバルガイド』について「40代の今出会えてよかった本」と熱くその魅力を語っています。
今回、この二人の対談が実現。ともに起業、スタートアップにかかわった経験から「バリバリ働いてきた人が限界を超えないためにどう休めばいいか」について語ってもらいました。(取材・構成/杉本透子、イラスト/伊藤ハムスター)

発達障害の僕が発見した「仕事で絶対に見下されない」超コスパ服

アップルウォッチはあらゆる職種で有効

小竹貴子(以下、小竹) 借金玉さんの本は発達障害の方向けだけではなく、スタートアップやベンチャー企業の人向けにタイトルを変えて出してもいいくらいじゃないかなと思いました。

借金玉 本のネタ元として、スタートアップにかかわっている方やベンチャーの社長さん達から伺った話がいくつも入っていますからね。経営者の方のハックが大量に入っているので、そもそもそういう本なんです(笑)。

小竹 ファッションのパートも非常に共感しました。「アップルウォッチで“時計マウンティング”を回避する」とありましたが、私も時計はアップルウォッチにしているんです。まさに時計を値踏みされるストレスが嫌で……。
 経営者の集まりに行くと、チラチラ手元や靴を見られているなあ、と感じることがよくあります。

借金玉 アップルウォッチは“時計マウティング”に非常に効果がありますよね。何百万もする高級時計じゃないのに、センスがあるように見られるし、LINEの着信が見られたりして実用性もある。
 小竹さん、今は黒のタートルネックを着られていますが、服も割と統一されている感じですか?

小竹 タートルは形が同じの色違いで4色持っています。夏場はこれまた形の同じ白のタンクトップの2枚を交互にをよく着ていますし、基本となっている服が季節ごとにありますね。

借金玉 服を絞るのはベンチャー企業の経営者でも非常に多いです。僕の周りでも、私服なんだけど、実質制服になっているっていう社長さんがたくさんいます。

小竹 「おしゃれですね」と言われたりするんですが、子どもの頃から洋服は大好きで、自分の似合う服についてはさんざん試行錯誤し、結果今のような超シンプルな洋服にいきつきました。
 毎日着るとしても、飽きないかなというのが選ぶときの基準です。あと実際のところは「感覚過敏」の回避も重要です。乾燥肌なので、ニットはチクチクするともうそれだけで集中できなくなるので、決まった良い生地のものを選んでいます。夏にタンクトップである理由も、腕に生地が触れないためです。

借金玉 おすすめのメーカーやブランドはありますか?

小竹 カジュアルなものだとジェームス・パースで、夏場のカットソーはこちらのお店のものを着回しています。冬場はAUXCA TRUNKというブランドが、値段ははりますが着心地は最高です。

 いずれもユニセックスで、シンプルで素材がいいので、正直着ているだけでおしゃれに見えちゃうマジックもあります。

発達障害の僕が発見した「仕事で絶対に見下されない」超コスパ服小竹貴子(こたけ・たかこ)
クックパッド株式会社Evangelist、コーポレートブランディング部本部長
1972年石川県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。株式会社博報堂アイ・スタジオでWEBディレクターを経験後、2004年有限会社コイン(後のクックパッド株式会社)入社。広告主とユーザーのwin-winを叶えた全く新しいレシピコンテストを生み出す。2006年編集部門長就任、2008年執行役就任。2010年、日経ウーマンオブザイヤー2011受賞。2012年、クックパッド株式会社を退社、独立。2016年4月クックパッドに復職、現在に至る。また個人活動として料理教室なども開催している。シンプルでおいしく、しかも手順がとても簡単なレシピが大人気で、生徒から「料理のハードルが低くなった」「毎日料理が楽しいと感じられるようになるなんて」の声多数。日経BPから上梓した『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』が現在7刷のロングヒットに。
発達障害の僕が発見した「仕事で絶対に見下されない」超コスパ服借金玉(しゃっきんだま)
1985年、北海道生まれ。ADHD(注意欠如・多動症)と診断されコンサータを服用して暮らす発達障害者。二次障害に双極性障害。幼少期から社会適応がまるでできず、小学校、中学校と不登校をくりかえし、高校は落第寸前で卒業。極貧シェアハウス生活を経て、早稲田大学に入学。卒業後、大手金融機関に就職するが、何ひとつ仕事ができず2年で退職。その後、かき集めた出資金を元手に一発逆転を狙って飲食業界で起業、貿易事業等に進出し経営を多角化。一時は従業員が10人ほどまで拡大し波に乗るも、いろいろなつらいことがあって事業破綻。2000万円の借金を抱える。飛び降りるためのビルを探すなどの日々を送ったが、1年かけて「うつの底」からはい出し、非正規雇用の不動産営業マンとして働き始める。現在は、不動産営業とライター・作家業をかけ持ちする。最新刊は『発達障害サバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』