認知症の人の医療費について、まず残っている歯の本数で比較すると、20本以上ある人に対して、9本以下の人の認知症医療費比は3.79倍であり、有意に高額だった(P=0.006)。また、CPIが0~2(歯周病なし~歯科検診時の歯肉出血または歯石のみ)の人に対して、CPIが4(6 mm以上の歯周ポケット)の人の医療費比は4.04倍高額だった(P=0.009)。なお、歯の本数が10~19本の場合やCPIが3(4~5 mmの歯周ポケット)の場合の医療費は、対照群と有意差がなかった。

 この関連は、医療費に影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、現在の喫煙習慣、BMI、および疾患既往歴)の影響を統計学的に調整後にも、引き続き有意だった。具体的には、歯が20本以上ある人に対して9本以下の人では4.13倍(95%信頼区間1.79~9.56)、CPI0~2の人に対してCPI4の人では3.48倍(同1.71~7.08)高額だった(いずれもP=0.001)。

 著者らは、本研究の解析対象が歯科検診受診者であるため、口腔衛生への意識が高い人が多いという選択バイアスが存在する可能性があるとしている。実際に本研究の参加者の口腔衛生状態は、同年齢の一般住民に比較して良好だったという。また、BMIが本人の申告によるため正確とは言えないことや、他の交絡因子の影響が調整できていないことも、解釈上の注意点としている。

 これらの限界点を挙げた上で、著者らは「口腔健康状態は、認知症の医療費と有意に関連している。歯の喪失を防ぎ、健康な歯周状態を維持することは、医療費の抑制につながる可能性がある」と結論付けている。(HealthDay News 2021年3月29日)

Abstract/Full Text

https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1533317521996142

Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.