また、「家計急変世帯への緊急対応」で給付型を申し込む学生に対しては、「急変後の所得」を基準とします。そのため、高校生のときに「家計の所得基準から希望する奨学金を借りられなかった」という学生も、大学入学後に新たに申し込めば支援対象になる可能生があります。自分が通う大学に自己申告して、支援対象となるかどうかを確認することが大切です。

奨学金は「早く動いた人」ほど有利に活用できる

 奨学金制度が大きく変わり、「お金のことで大学進学をあきらめる」必要がなくなったことがわかったかと思います。

 あわせて、いま、高校3年でこれから進学を考えている人が、大学4年間で必要となるお金を準備するなら、やはり従来の奨学金制度をきちんと理解し、有効活用することが大切です。

 従来の奨学金を上手に活用するには、何よりも「きちんと準備する」ことが重要。多くの高校生やその親は、「まだ志望校も決まっていない」といったことから、奨学金について真剣に考えるのをつい「後回し」にしてしまうことがあるようです。

 ところが、「志望校が決まっていなくても」、「進学するかどうかも決まっていなくても」、申し込めるのが奨学金です。しかも、申し込んだ内容は、大学に進学後に手続きをする段階で、辞退したり、金額や返還方式を変更したりすることが可能です。

 例えば、経済的に安心して大学に進学するために、ぜひとも活用したい給付型奨学金(返還しなくてよいタイプ)や貸与型奨学金の第一種(無利子で返還できるタイプ)は、高校生で申し込めるチャンスは毎年4月~6月、自分(お子さん)が通っている高校を通じて申し込む第1回「予約採用」だけです。

 つまり、ほとんどの高校生が志望校も固まっていないときに、給付型や貸与型の第一種など「有利な奨学金」の申し込みが始まり、そして締め切られてしまうのです。進学前にお金の心配を少しでも軽くしておくには、高校生のときからめに準備して、自分にとって有利な奨学金を受けられるように動くことがとても重要なのです。