グローバル景気敏感株。日本株がこう呼ばれるようになって久しい。しかし、現在ほどネガティブな意味で捉えられる時期はなかっただろう。

 IMF(国際通貨基金)・世界銀行総会が48年ぶりに東京で開催された。総会に合わせて発表されたIMF世界経済見通し(10月)は、前回7月予測から2012年が0.2ポイント、13年が0.3ポイント下方修正された(表参照)。10年の5.1%成長、11年の3.8%成長から、今年は3.3%成長へ減速するとの予測である。来年も3.6%成長への回復にとどまる。

 懸念されていた通り、欧州と新興国の下方修正幅が大きい。今年については南欧、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などの下方修正が目立つが、来年については独仏やASEAN(東南アジア諸国連合)まで下方修正幅が大きくなっているのが今回の特徴だろう。

 下方修正が局地戦からグローバルに広がってきた格好で、日本株低迷の要因を端的に示唆している。しかし、今年の日本の成長率予測は、くしくも米国と同じ2.2%。にもかかわらず、日経平均は09年以来の安値目前、ニューヨークダウは史上最高値目前と、日米の株価は大きく二極化している。

 ニューヨークダウの海外売上高比率は5割近い。日本株同様、グローバル景気敏感株のはずである。何が違うのか。