米ドルと人民元中国の現地エコノミストたちは、対米通商政策をどう考えているのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

中国で注目のオンライン・シンポジウム
現地著名エコノミストが見解を表明

 2021年3月、米国のバイデン政権は安全保障戦略の指針を公表し、中国やロシアに対抗するため日本やヨーロッパの同盟国との関係を強化するとともに、インド太平洋とヨーロッパ地域に展開するアメリカ軍の戦力を強化する方針を示した。今後バイデン政権は、この指針に基づいて年内にも具体的な「国家安全保障戦略」を取りまとめる予定である。

 一方で、中国では3月3日に「バイデン政権の対中通商政策:見通しと提言」と題したオンライン・シンポジウムが開催された。中国では、このようなテーマはセンシティブである。現地メディアは政府支持の意思を表明することにとどまる一方、中国のエコノミストは本シンポジウムで踏み込んだ見解を示した。

 同シンポジウムは、中国最大の格付け会社である中誠信国際信用評級と、中国で評価が最も高い大学の1つである中国人民大学の共同主催である。基調講演は、国際貿易を専門とする劉青・中国人民大学教授が担当。パネルディスカッションには、李迅雷・中泰証券チーフエコノミスト、張明・中国社会科学院世界経済与政治研究所主任、劉元春・中国人民大学副校長、沈建光・京東科技集団チーフエコノミスト、毛振華・中誠信集団董事長と、著名なエコノミストたちが参加した。ここでの議論は、今後の中国の政策決定に一定の影響力を及ぼす可能性がある。