長女の東大合格発表。母娘抱き合って喜んだ長女の東大合格発表。母娘抱き合って喜んだ(撮影・加藤夏子) (c)朝日新聞出版

佐藤ママ:そうなんです。親御さんもちょっと息抜きしたかったのかもしれませんが、やはり、子どもが身に付けるべき内容をできないままにして、新学期を迎えると大変です。

 特に3年生から新4年生になるときは要注意です。親御さんには、ぜひお子さんの教科書を読んでみてほしいのですが、4年生からかなり難しくなっていることがわかります。小3の子どもは、小4の子どもに比べれば、幼稚園生や「よちよち歩き」の赤ちゃんに近い感じなのです。小4からはより少年という感じになって精神的にも大人のほうに近くなり、だいぶ大きく成長していくイメージです。小3と小4の違いは大きいですね。

 これが「10歳の壁」と言われているもので、やはり子どもの成長過程では特に無視できないものです。どの学年のどの科目でも積み重ねですから、わからないところを克服しておかないと、新学期が始まってより難しくなった授業についていけなくなります。そういう意味では、春休みのうちに遅れを取り戻しておくのが理想だったということです。

――なるほど。しかし、遊んでしまった子どもは「後の祭り」なのでしょうか。リカバリーのヒントをもらえると助かります。

佐藤ママ:4月は新学期が始まったばかりなので、授業の進み具合もそれほど早くはありません。だから、ゴールデンウィークまでに、いかに遅れを取り戻すかが鍵となります。とにかく勉強は積み重ねですから、わからないことがあるとその上には絶対に積み上げることはできません。どうしても戻って復習することが必須です。

 新学期からの授業でも、わからなくなったり、苦手だと思ったりするものが出てくるでしょう。新学期から2カ月過ぎた6月くらいにその項目も復習し、さらに計算や漢字を中心に夏休みでまとめて克服しましょう。そうやって細かく少しずつ調整しながら苦手な項目を減らしていくのがコツです。

――勉強の計画は、子ども自身が立てるのがいいのでしょうか。

佐藤ママ:親が計画を立てて、スケジュールも管理する方がいいでしょう。特にコロナ禍では、学校の行事が変更になったり生活が変則的になったりすることもありますので、そのようなことを考慮して子どもが計画を立てることは無理だと思います。中学受験をするにしても、受験のために身につけなければならない内容に今までと変わりはありません。その内容の完成度によって本人の偏差値が決まり、受験できる学校が決まってくるということです。

 親が計画を立てるといっても、「この通りにやってよ」と子どもに親が立てた計画を押し付けてはダメなのです。親は一貫して、子どもの状態を常に優先する覚悟が必要です。