これはフリーランスにはないメリットです。好きなことができる可能性もあれば、それまでの実績や人脈を活用して起業や副業につなげる準備をすることもできます。

“もうひとりの自分作り”を始める

 そうは言っても、自分のアイデンティティがわからないといった人もいるかと思います。しかしそれを見つけるのはそれほど難しくはありません。

・得意なことは何かを知る。
・好きなことは何かを知る。
・本当にやりたかったことは何かを知る。
・これまでのキャリアや人脈で何が(誰が)活かせるかを知る。

 探し方はこの4点で十分です。得意なこと、好きなことは成功へのタネになります。私は、小中学生の頃から、担任教師や同級生から「文章を書くのが得意だね」「人前で話すのが上手だね」と言われ続けてきました。また、誰かに頼むのではなく、自分で発表することが好きでもありました。

 それをそのまま職業にしたのが、報道記者やキャスターの仕事です。また、「このまま頑張っても将来はたかが知れている」と感じ、職場での不毛な競争から降りて、執筆や講演、大学の教員などをしているのも、「文章を書く」「人前で話す」という得意で好きなことを活かしてきた結果です。

 私の著書に政治や子育て本が多いのも、記者として取材を重ね、すぐ話が聞ける専門家を数多く知っているというだけのことです。

 成功のタネは、これまで社会人として生きてきた歩みの中に落ちています。お金に強い銀行員には銀行員の、地域に密着した公務員には公務員の歩みの中に、セカンドライフ、セカンドキャリアを切り拓くタネが必ずあります。