最も身を切る取り組みを行っているのは、小池百合子東京都知事だった。給与月額は72万8千円で、本来もらえる金額から50%も減額している。

 小池都知事は2016年の知事就任以来、「都政改革の決意と姿勢を示すため」として月額給与とボーナスの減額を実施している。先の政府関係者は「目立たないところでも抜かりなく減額しているのは、まさに政治家、という印象」と漏らす。

 なぜここまで減らすことができるのか。小池都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会(都ファ)を2017年に離党した上田令子都議によると、都ファの都議は毎月、政務活動費15万円、党費6万円を都ファに収めていた。17年の都議選では都ファから55人も当選していたため、合計1千万円を超える資金を毎月集めていたという。

「給与をある程度をもらわないと議員活動はできない。半額というのは、普通では考えられない金額です。人件費の付け替えなど、からくりがあるのではないかと思います」(上田都議)

 小池都知事の次に低かったのが、沖縄県の玉城デニー知事で86万1千円だった。本来もらえる額よりも30%減額している。新型コロナの感染拡大による県経済の影響を受けて「県民ととともに苦難を分かちあうため」(県担当者)だという。

 しかし、知事に対する視線は厳しい。沖縄県議長を務める赤嶺昇県議は「知事のコロナ対策はうまくいってない。給与の3割カットで県民が納得するかというと、そんなことはない」と語る。

 沖縄県では観光業だけではなく、飲食業や小売業など幅広い業種で打撃を受けている。4月12日からはまん延防止等重点措置が実施され、感染拡大は収まっていない。県民からの要望の声は、抗議の声に変わってきていると赤嶺県議は言う。

「沖縄は離島県だから、人の多くは那覇空港から入ってくる。ここの対策をしっかりとやることで、感染はもっと抑えられたはず。給与を払ってもいいから、コロナ対策をしっかりとしてほしいというのが県民の肌感覚だと思います」(赤嶺県議)

 3位の鹿児島県・塩田康一知事と熊本県・蒲島郁夫知事は86万8千円で、本来もらえる金額124万円から30%の減額になっている。ともに新型コロナの影響を理由としてあげている。

 5位の北海道・鈴木直道知事は、96万6千円で、本来もらえる138万円から30%減額している。2019年4月に就任して以来、厳しい財政状況を踏まえての取り組みだという。6位の秋田県・佐竹敬久知事は96万8千円で、121万円から20%減額している。09年の当選以来だ。