重要なのは「共通言語」を持つこと

 しかし、ここまでの話を聞いて疑問を感じる読者もいらっしゃるかもしれません。そもそも、「5位から10位になれる戦力がある」ことを誰が判断するのか──。そんな疑問です。ミッションを決めるのは誰か、と言ってもいいかもしれません。

 戦力を判断し、ミッションを決めるのは、言うまでもなくチームやクラブ全体を統括する立場、いわゆる経営トップです。ブロンコスでは、私やバイスチェアマンの北川(裕崇)ということになります。私はバスケットボールを本格的にやった経験はないし、もちろんヘッドコーチの経験もありません。それでもプロスポーツチームのトップとして確かな判断をするために、3つのことをしっかり実行することをいつも自分自身に課しています。それはいかなる業種の経営においても、スポーツの世界においても同じです。「そのスポーツの本質を理解すること」「現在のチームを観察すること」、そして「他のチームをベンチマークすること」です。もちろん、単に3つを実行するだけでは足りません。その結果として、ヘッドコーチや選手との「共通言語」を持てるようになるまで、徹底的にそのスポーツを理解し、チームを観察し、他のチームのことを知らなければなりません。