就活本に初めて「自己分析」の考えを取り入れた本として
15年連続大学生協第1位のベストセラーを誇る『絶対内定』シリーズ。
ただ内定をとるためだけではなく、「心から納得のいく進路が見つかる」「本当にやりたい仕事がわかる(やりたいことに気づける)」「自分らしく働ける会社と出合える」「入社してから『こんなはずじゃなかった』と後悔しない」ための1冊であることが大きな特徴だ。
キャリアデザインスクール「我究館」のもつ、10200人以上におよぶ就職・転職指導の経験を活かしたノウハウが、このシリーズには詰まっている。
コロナ禍で価値観が大きく変わるなか、会社選びも大きく変わってきている。
自分らしい働き方とは、生き方とは…、
今、じっくり自分と向き合う時間を『絶対内定』と過ごす就活生が増えている。
今回は、夏インターンに向けて、参加企業をどのように選ぶべきか判断基準を2つ紹介する。
(構成/藤本健司、ダイヤモンド社・朝倉陸矢。こちらは2021年5月31日の記事を2023年度版(2025年卒向け)としてアップデートして掲載しています)

【25卒】夏インターンの判断基準<br />「絞って参加」か「とにかく多く参加」かPhoto: Adobe Stock
我究館・藤本健司館長 藤本健司(ふじもと・けんじ)
我究館館長
千葉大学教育学部卒業後、(株)毎日コムネット入社。営業に配属され、2年目に優秀社員賞、3年目に社長賞を受賞。2012年「世界の教育問題に対峙したい」との思いから、青年海外協力隊としてケニア共和国で活動。3年間、JICAや現地の省庁と連携し、児童福祉施設における情操教育やカウンセリングに携わり、「人は志や気づきによって大きな成長を遂げられる」ことを実感する。2016年より(株)ジャパンビジネスラボに参画。我究館学生校の主担当コーチとして大学生をサポート。外資系投資銀行、コンサルティングファーム、総合商社、広告代理店など、難関企業に多数の内定実績がある。

夏インターンに行くべき企業の選び方

 この時期になると、「どのインターンに、どれくらい参加すればいいのでしょうか」という質問を学生からよくされる。
 周囲がインターン参加に向けた準備を進めているのを感じて焦っている人もいるかもしれないが、一度落ち着いてほしい。

 数多く参加すればするほど内定が近づく、というわけではないからだ。どのように企業を決めるべきなのかは、現在の状況によって異なる。
 たくさん参加するべき人は、「やりたいこと」が明確な人だ。

 このタイプの人は、志望している業界や企業が開催している5days以上のインターンに参加してほしい。

 理由は3つある。

1 業界の状況がよく理解でき、実際にやることになるであろう仕事がわかる
2 その会社の社風と、自分の性格や能力との相性を確認できる
3 参加した人だけのセミナーや選考によって、その後の就職活動でアドバンテージを得られることがある

 ただし、やりたいことが不明確な人は要注意だ。

 これまで多くの就活生をみてきて感じるうまくいかない人のパターンは、焦った気持ちのまま手当たり次第にエントリーしてしまうことだ。

「とにかく参加しなければ」という気持ちが強すぎると、選考基準が低かったり、誰でも参加できたりする1dayに申し込みしがちになる。また、あまり志望度の高くない「とりあえず」受かった5daysのインターンに参加して、「安心」してしまうケースもある。

 やりたいことが明確になっている学生と比べて、参加姿勢はどこか受け身。「就職活動をしている気分だけ」味わうことで時間を浪費してしまう。これでは、得るものも少なく、将来のやりたいことも明確にならない。企業に評価される可能性もかなり低い。そもそも評価される必要もないかもしれない。

 また、5daysは文字通り丸々5日間を費やすものが多い(日中はプログラムに参加し、夜は各自持ち帰った課題に取り組んだり、同じチームのメンバーと追加のミーティングを行ったりすることがある)。参加すると1週間近くほとんどほかの予定を入れることができない。例えば夏のインターンで4社5daysに参加したら、夏休みはほぼ終わってしまう。

 次のようなコメントを秋から冬にかけてとてもよく聞くようになる。

「とりあえず夏のインターンにはいくつか参加したのですが、結局何をしたいのかがわからなくて」

「夏になんとなく参加したインターン先の企業から、フォローセミナーの案内が来る。囲い込みなので評価されているのは嬉しいのですが、志望度が低いので時間のムダのようにも感じています」

 まずは、志望業界を明確にしよう。その上で、志望業界でインターンを開催している企業をリストアップする。そして、志望順位が高い企業を優先的に5daysにエントリーし、志望順位が相対的に低い企業は1dayを中心に入れていくのがいいだろう。