対面なら雰囲気で察してもらえるが、オンラインではそうはいかない。言葉で明確に表現できなければ、相手には決して伝わらない。でもそんなロジカルなヒトになるために、わざわざ難しいフレームワークなど覚える必要はないのだ。KIT虎ノ門大学院教授・三谷宏治氏の提唱する最強の思考法「重要思考」さえマスターすれば、ロジカルに考え、伝え、聴き、議論することが可能となる。三谷氏の著書『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』からの抜粋で、相手に自分の主張を一瞬で確実に伝えるための方法を、見ていこう。

アマゾン急成長の要因を『重要思考』で考える

『重要思考』とは、前回説明した塊とつながり(ロジカル超基本)のちょっとした応用ともいえます。一番強いつながりのある塊に集中する、ということですから。

 たとえば、アマゾンが急成長しているとして、その原因はきっといろいろあるのでしょう。10や20はすぐ挙がります。

●Aの原因はB1、Aの原因はB2、Aの原因はB3……

 でも、あれも効く、これも効く、いやいやこれも、とみな言いたい放題になってしまいます。『重要思考』はそれを許しません。それが一番ダイジな原因か、と問うからです。

 原因と称するものの中には、他社との圧倒的な「差」をつけるものもあるでしょう。

「うちの電力利用効率は他社の2倍だ!」とか。

 でも、そのビジネスの全コストのうち、電気代の「重み」はどうなのでしょう。もし全コストの1%しか占めないとしたら、それはあまり、ダイジではありません。