中国 2021年5月19日

【緊急レポート2021】
台湾の「ワクチンはいらない」はどこまで通用するのか?
感染拡大抑止に大活躍する「里長」と「里コミュニティ」

湖南省の中南大学大学院在籍中に邱永漢氏と出会い、卒業を待たず、2005年から氏が亡くなる2012年5月まで秘書として中国ビジネスと中国株を直接学んだ上田尾一憲さん。2014年からビジネスの拠点を台湾に移した上田尾一憲さんが、台湾での自身のワクチン接種体験と、台湾での拡大抑止に機能する「里」コミュニティについてレポートします。

【関連記事】陽性者を1人1人番号を付けて管理・公表する台湾

2300円でワクチン接種を受けてきた

 現在、台湾の新型コロナ新規感染者数が300人を超えてきており、対策が急がれる状況だ。こうした状況になる前、感染がしっかりと抑えられていた5月3日、私はワクチンを打って来た。

 台湾では台湾全土31の医療機関で4月21日から、外国人を含む海外渡航予定者のワクチン接種が可能となった。このワクチンを打てば海外から台湾に帰って来た際の隔離期間が14日から7日に短縮される。我々ビジネスマンとしてはありがたいと思い、早速ネットで予約した。

 今回私が受けたのは自費接種なので費用がかかる。ワクチン自体の費用は無料だが、診察料と材料費、治療処置費など合わせて600台湾ドル(約2300円)が必要だ。

 予約した日時に病院に行って受付を済ませた後、医師から、アレルギーはないか? 最近別のワクチンを打ったか? などの基本的な質問をされ、医師の診察は1分ほどで終了。先に費用を支払い、ワクチンを打つ病室へ移動した。

 ワクチンを打つ前に若い女性看護師さんに「病院のスタッフはもうみんなワクチン打ったの?」と聞くと「え、まあ。打っている人もいますよ」との返事。「あなたは打った?」と聞くと「いいえ。私は打っていません」と言うので、「なぜ?」と聞くと、「怖いから……」との答えが返ってきた。
 
 おいおい、今からワクチン打つ私はどうなの?と思ったが、台湾の人らしいというか、正直というか……。そして笑顔で「では、打ちますね!」と。いまさら「打ちません」とも言えないので、そのまま打ってもらうことに。
 
 この頃はまだ台湾での陽性者は少なかったので、このような冗談っぽいことが言えたが、感染者が増えている今では、病院内の状況も一変しているのではないか思う。
 
 ワクチンを打つ時は通常、使い捨てのニトリル手袋などを装着すると思うが、この病院では素手で注射が行なわれていた。問題はないのだろうか?

ワクチンを打っているところ【撮影/上田尾一憲】

LINEを使って接種後7日間は経過報告

 ワクチン接種後、手の甲に待機時間が記載されたシールを貼られ、病院内で30分待機。接種直後に「ワクチン接種記録カード」をもらい、まずは名前だけをその場で記入。生年月日、国籍、IDナンバーを記入しようとしたら、そこは「後で家に帰って記入したらいいよ」とのこと。

ワクチン接種カードと病院滞在時間が記入されたシール【撮影/上田尾一憲】

 そんなものなのかと思いながらも、病室の外にある椅子に座っていると、看護師さんから、「衛生福利部が公式LINEアカウントに設置した『疾管家(病気の情報を丁寧に管理してくれるという意味)』に登録してください」と言われたので、早速個人情報を入力し、登録手続きをした。

 このLINEからは、台湾の最新コロナ情報が送られてきたり、こちらからも、ワクチンの副反応や新型コロナについて疑問点など、なんでも質問できるようになっている。

 ワクチン接種を受けた人は、このLINEで、接種後から7日間の健康状態を毎日報告することになっているが、これは義務ではなく、アプリ自体をダウンロードしない人もたくさんいる。
 

「疾管家」の健康報告第7日目のお知らせ(左)と報告チェック画面(右)


 LINEがどんなものかをチェックしている間に30分が経過し、帰宅。30分経てば勝手に帰ってもいいという仕組みだが、実際に誰かが監視しているわけでもないし、帰る際に報告することもないので、実際は早く帰ってもわからないなという感じだった。


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