大きくなりすぎた企業は
分割・破壊すべき

――ソニーは解体されるべきだと思いますか。

 単刀直入な提案をしましょう。日本政府はこういう大きくなりすぎた企業を分割すべきです。70年代、80年代、アメリカで起きたが日本では起きなかったことは、企業の分割です。アメリカはIBM、AT&Tのような巨大企業を分割しました。IBMもAT&Tも分割されて、窮地に追いやられました。業界を支配できないようにしたのです。

――そういう段階は非常に重要な段階ですね。

 分割・破壊ですが、創造的破壊です。これがキーワードです。

――新たに出発するためですね。

 日本の企業が「創造的破壊」という言葉に慣れることは助けになると思います。日本経済を蘇生するには、「創造的破壊」がカギになります。

 問題は、今まではその力は外部から来ましたが、それは不快な方法です。内側から来ないといけません。それは苦痛を伴うので難しいことです。混乱を生じさせるので、日本政府は企業分割をしたくないでしょう。でも今の日本には強烈な創造的破壊のdose(一服の薬:一度の避けられない不愉快な経験)が必要です。

――アップルの話に戻りますが、さきほどアップルは今黄金時代を享受していると言われましたが、いずれアップルも衰退、崩壊という運命を辿るのでしょうか。

 そう思います。それが典型的なプロセスです。自然のサイクルと言ってもいいでしょう。私には日本人の恩師がいて、今80歳ですが、青年のように非常にバイタリティがあふれた人です。それでもいずれ亡くなります。