発売即3万部の大重版! 今、話題のExcel本! 『神速Excel』の著者である中田元樹氏が、今まで語られてこなかったExcelテクニックをやさしく解説します。本連載で取り扱うのは“Excel スピードインパクト”というExcel 操作を高速化する技術です。「高速化」と聞くと、「ショートカットを駆使して操作を行う」というイメージを持たれるかもしれません。しかしそれよりも、
・セルの移動と選択をスピーディに行う
・不具合が起こった際に瞬時に解決する
・スピーディにセルの値や数式を編集する
・関数を一瞬で複製する
こうした基本動作を「無意識レベル」で行えるかどうかがカギなのです。この土台の上にショートカットの知識が組み合わさり、初めて「Excelスピードインパクト」を実現できます。基本動作をわかりやすく解説し、一つ一つの仕組みを紐解いていきます。「基本動作」と「ショートカット」をマスターし、「達人の技」を身につけてもらうのが本連載の狙いです。
(この記事は2019年9月5日付記事を再構成したものです)

エクセルは、ショートカットを覚えるだけでは「速く」ならないPhoto: Adobe Stock

1秒でも早く終わらせる

 皆さん、はじめまして。中田元樹と申します。私は普段、企業や個人に対しExcel を教えています。

 私が得意としているのは、“Excel スピードインパクト”というExcel 操作を高速化する技術です。

「高速化」と聞くと、普段からExcel を使われている方は「ショートカットを駆使して操作する」というイメージを持たれるかもしれません。

 まず理解していただきたいのは、「ショートカットをたくさん覚えれば、操作が速くなる」わけではないということです。

 次の動画を見てください。おそらく多くの人が「やっぱりショートカットを覚えると速いんだな」という印象を持つでしょう。

 しかし、注意してよく見てください。真のポイントはショートカットではありません。

 •マウスを使わず、セルの移動と選択をスピーディに行う
 •スピーディにセルの値や数式を編集する
 •関数を一瞬で複製する

 これら「基本動作」が速いからこそ、「Excel スピードインパクト」を実現できているのです。

 こうした基本動作は見過ごされがちです。Excel の達人といわれる人たちにとっては、あまりにも反射的で、無意識レベルでの操作なのですが、実は系統立てて整理されていません。

 本連載ではこうした基本動作をなるべくわかりやすく解説し、ひとつひとつの仕組みを明らかにしていきます。