対面では遅刻がかえって
好印象と転じる場合もある

 今は早めの行動を信条としている私だが、営業スタッフ時代は割と甘いところがあった。営業スタッフとしてやってはいけない「アポイントに遅れる」といったミスをしたこともある。

 あるお客様と商談の約束をしていたときのこと。そのお客様のところにはいつも10~20分くらい早く着くように事務所を出ていた。あるとき、直前まで仕事がありほとんど時間的に余裕がない状態で出発したことがあった。こういうときに限って道が混んでいる。間に合ったとしても時間ギリギリだ。遅刻の連絡を入れて向かったが、結局5分ほど遅れて到着した。

 このお客様は時間に正確なタイプの方だった。「きっと信頼を失っただろうな」と思いながら、直前まで資料を作成したこと、そして予想外の渋滞に巻き込まれたことを素直に話した。

 するとお客様は意外にも笑顔で「そんな中、よく5分遅れで来られたね。ご苦労さん」と温かい言葉をかけてくれた。逆に仲が深まったとすら思えた。遅刻は良くないが、リアルの対面ではこういったこともある。