国土交通省が2020年11~12月に調査し、2021年3月に公表した「令和2年度テレワーク人口実態調査」(回答者母数4万人)によると、テレワーカーは雇用型・自営型を合わせて22.5%に達し、前年度調査から一気に7ポイント増加して過去5年間での最高値を記録している。

 なお、国交省によればこの調査は今年度末にも継続して実施される予定であるということだから、コロナ禍の影響が長引いた状況での調査結果が注目される。

地域や企業規模などで広がる
「テレワーク格差」

 コロナ禍によって急速に進捗したテレワークの導入だが、同調査の詳細を見ると、実はさまざまな「格差」が発生していることも明らかになっている。

 まず、地域ごとのテレワーク導入率では、ピークに達した2020年4~5月期に首都圏で31.4%に達しているのに対し、近畿圏21.0%、中京圏16.7%、地方都市圏13.6%となっており、全国平均は20.4%となっている。

 首都圏在住の3割以上の労働者がテレワークを実施しているのに対して、中京圏・地方都市圏がその約半分程度の実施率にとどまっているのは、感染拡大の度合いにもよるものと推察されるが、政府がテレワークで働く社員の割合を7割まで高めるように経済界や各企業に要請したこともあり、経団連や日本商工会議所、経済同友会などの会員企業が集中する首都圏での導入が他地域に先んじて進められたとみられる(その後いずれの地域も導入率は低下傾向にある)。

 また、総務省の2019年の調査によれば、企業規模の違いによってテレワークの導入率が異なっており、従業員数1000人以上の規模の企業においては導入率が平均56.8%と5割以上を記録しているのに対し、1000人未満の企業では平均で21.0%と半分以下の値となっており、導入率において企業規模の違いが浮き彫りになっている。