関係人口が多いランキング上位の中には、震災や水害などの災害に見舞われた県が多いことがわかる。

 ブランド総合研究所の代表的な調査の一つである「地域ブランド調査」が始まったのは、2005年のことだ。地域ブランドとは、地域を主に経済的な側面から捉えたときの、生活者が認識するさまざまな地域のイメージの総体を指す。

 ブランド総合研究所の田中章雄社長は、「各地での地域ブランドに関する取り組みとしては、最初は“商品”をテーマにした取り組みが多かった。地域特有の農産品やご当地グルメなどの特産品で地域の認知度を高めようというものだ」と振り返る。実際、2007年~2010年にかけては、ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」も大人気を博した。

 その後、「2011年の東日本大震災を機に、地域の魅力に対する考え方が大きく変化し、応援しようという動きが出てきた。それは世界的に見ても珍しいことで、『応援したい』という気持ちが地域ブランドを構築する重要なものとして確立された」と田中社長は話す。

 実際、今回のランキングでも、ボランティア活動や寄付活動で、福島県や熊本県を応援したい人が増えているという結果が見て取れるだろう。田中社長によると、災害に見舞われることで地域のブランド価値は下がってしまうと思われがちだが、それは逆。応援したい気持ちに地域が応えることで、ブランド価値を高めることにつながるという。

年齢や収入と関係なく
若者層にボランティアや寄付が定着

 地域貢献につながる行動について、世代別に見てみよう。「ボランティアをしたい」と答えたのは、20代以下が5.7%、30代が5.1%に対して60代以上は3.1%だ。ボランティアは行動を伴うため、体力的な面を考えると20~30代が多いことは当然であろう。

 一方、寄付は行動よりお金を必要とする活動。そのため、お金に余裕のある高齢者世代が寄付をするイメージだが、実はこちらも若者の「寄付をしたい」率は高い。20代以下が7.3%、30代が6.3%に対して60代以上は4.0%であった。この結果からは、若者の意識が変わったことが見て取れる。