バッテリーや電動モーターを搭載しており、家庭用コンセントで充電できる。2万~3万円のコンパクトな折りたたみ式や軽量タイプのリーズナブルな価格帯の商品から、10万円近い椅子付き、坂道やオフロードも楽に走行できるパワフルな商品もある。

 前述の通り、電動キックボードは道交法上、原付きバイクと同じ扱いだ。エンジンが付いていなくても、自走可能な電動機(定格出力0.60キロワット以下)なら原動機付き自転車と位置付けられる。

 もちろんライトやウインカー、バックミラーなどの装備は必須で、それも道路運送車両法の安全基準に適合していないものは、公道を走行することはできない。

 加えて、地方税法が規定する軽自動車税(市町村税)を納付する義務があり、市町村条例で税納付の際に交付されるナンバープレートを取り付けなければならない。自賠責の加入なども含め、なかなかやっかいな手続きが必要なのだ。

 しかし、Aは警察に「数カ月前に知人からもらった」と説明したが、そうであれば知人がAにそうしたことを伝えておらず、そもそも、その知人が適正な手続きを取っていなかった可能性さえある。

 また、AとBいずれの電動キックボードも最高で時速30キロ前後を出すことが可能だったというから、歩道を走行するのはかなり危険な行為だったと言える。

 そもそも道交法上、原付きバイクと同じなわけだから、車道を走行しなければならない。しかしAとBはいずれも歩道を走行しており、その時点で既に衆人環視の下で堂々と違法走行をしていたということになる。