文化庁が全国の16歳以上の男女を対象に2019年に実施した「国語に関する世論調査」によれば、1カ月に7冊以上読むという人が3.2%、5~6冊読むという人が3.2%、3~4冊読むという人が8.6%、1~2冊読むという人が37.6%となっており、合わせて52.6%の人は、冊数はさまざまだが取りあえず毎月本を読んでいる。

 ところが、本を読まないという人が、何と47.3%もいるのである。半分近い大人が、月に1冊ペースで本を読むことさえしていない。

 また、以前に比べて読書量が減っているという人が67.3%となっている。3分の2の大人が、自分は以前より本を読まなくなっていると感じているのである。

 そうなると、子どもの見本となるべき親が、そもそも本をあまり読んでいないということも十分にあり得ることになる。ふだんあまり本を読んで来なかった人も、子どもの将来を考えるなら、本を読むように言うだけでなく、自らも本を読む姿勢を見せられるように頑張る必要がありそうだ。

子どもと一緒に一からやり直す

 幼い子どもは、親が世界そのものみたいな感覚の中を生きており、何でも親の真似をしたがる、それによって言葉をしゃべれるようになるのである。ゆえに、子どもに本を読む人になってほしいと思うなら、自分も本を読む人になる必要がある。

 でも、親自身がほとんど本を読まずに暮らしているとするなら、子どものために自分が本を読む人にならなくてはと思っても、読書が習慣化されていないため、どうしても挫折しがちだ。