コロナ前後でチームの体制や仕事のプロセスを見直していますか?

 研修で関わる企業に、コロナ前後でチームの体制や仕事のプロセスを見直したかをヒアリングすると、「ただ物理的に働く場所が離れただけだ」と答える企業が多いものです。2020年の最初の緊急事態宣言が発出された直後に、準備なく突然始まったテレワークだったかもしれません。パソコンやネットワーク環境を整えて、何とか仕事ができるようになったものの、コミュニケーションのやりにくさなども感じつつ、頑張ってきた1年だったのではないでしょうか。

 テレワークで成果を出すためのチームマネジメントには、下図のような4段階があります。

テレワークでのチームマネジメントの4段階テレワークでのチームマネジメントの4段階

 まず「テレワーク導入期」にはトップマネジメントからのテレワークについての方向性の提示や各チームでの運用ルールを決め、それぞれの職場で環境を整備する必要があります。テレワークがうまくいかないのは、この3つのどれかが不明瞭だったり、不足したりしていることが挙げられます。また、方向性やルールはいったん決めた後も状況に合わせて、変更も必要です。

 次の段階である「テレワーク成長期」には、チームや業務の調整が大切です。テレワークをやってみて、チームの状況や業務プロセスの不都合なども加味した上で調整する必要が出てくるため、そこを丁寧に対応します。また、どうしてもチームメンバー同士での不公平感なども出てくる時期です。そこにフタをしたままだと、次の段階の協力期に進むことが難しいのです。

 3段階目の「テレワーク協力期」では、メンバー自身を尊重し、主体性を発揮することを応援して、それぞれの強みを発揮させ、それを強化していきます。チームメンバーのスキルの凸凹があれば、それをどう補っていくのかを考え業務アサインを見直すようなことがあってもよいでしょう。

 最終段階がテレワーク成熟期です。ここまでチームが成長すれば、リーダーの仕事の一部をメンバーに権限委譲して任せていくこともできますし、メンバー自身が創造性を発揮できるように期待を伝えていきます。その結果、好事例が集まってきたものを社内に展開していきます。

 このように4段階を意識し、足りていない項目があれば一つずつ乗り越えていくことが大切です。