成功体験といっても、世間に認められるような賞をとるといった立派なものでなくてもかまわない。たとえば、「毎日腕立て伏せを30回やる」と決めて達成するなどでもOKだ。「これをやるぞ」と決めてやってみる。他人にどう思われているかは関係ない。成功したかどうかも自分で決めてよい。そして達成したら自分をたっぷりほめてあげる。小さな「できた!」を繰り返すことで、やる気はつくられていくのだ。

◇結果から逆算して「勉強戦略」を立てる

『45歳から5億円を稼ぐ勉強法』の著者・植田統氏は、48歳から勉強を始めた。50歳で司法試験に合格。54歳で弁護士として独立し、55歳で名古屋商科大学教授に就任した。そんな植田氏は、「(大人も)勉強を重ねていけば、知的刺激に満ちた実りある生活を実現できる」という。

 大人の勉強で大事なのは「結果から考える」ことである。子どもの勉強とは違って、大人の勉強は結果を出すことがすべてといえる。多くの人は、教科書の最初のページから始めようとしてしまう。しかし、それでは挫折しやすくなる。最短距離で結果を出そうと考えるべきである。

 そのためには、企業の戦略立案と同じで、まず「外部環境」を分析することが必要だ。資格試験なら「試験制度がどう変わっていくのか」「どんな能力がテストされているか」を調べていく。次に「競合環境」、つまり他の学習者たちの状況を調査する。そして、自分の強みや弱みを客観視し、ポジションを見極める「自己分析」を行う。

 こういった「勉強戦略」を立てることで、時間のない社会人も効率よく結果を出す勉強ができる。

◆効果が上がる勉強法
◇本は15分単位で読む

 精神科医の樺沢紫苑氏は、著書『読んだら忘れない読書術』の中で、「高い集中力を維持できる限界は15分」と語っている。脳科学的に見ても、普通の集中力の限界は45分、極めて高い集中力なら15分だという。