【具体的なお悩み】
某公的機関に勤務していますが、数年後にはリタイアしたいと考えています。退職金は1800万円程度の予定です。公的年金は65歳から夫婦で年間230万円程度が見込まれます。このような状況で、早期リタイア可能でしょうか?

Pさん一家の家計収支を確認
55歳までにいくら貯金できる?

 早速、Pさんの家計の収支から見ていくことにしましょう。Pさんが早期リタイアを予定している具体的な年齢の記載がないことから、今回は2年後の55歳で早期リタイアが可能かどうかを試算してみます。

 Pさんは現在海外駐在中で、年収は手取り1700万円です。支出は月50万円程度、年間で600万円です。奥様は専業主婦、2人の娘さんは共に私立大学に通われており4年生と1年生です。2人分の学費を考えれば、月間の支出(50万円)に教育費は含まれていないと思われるため、教育費は別に計上します。

 娘さんは2人とも私立文系なので、教育費は1人当たり年間80万~90万円前後でしょう。真ん中の85万円とすれば、年間で170万円になります。ただ、直接の教育費以外にも定期代やお小遣いなども発生するので1人年間100万円かかるとし、2人で年間200万円とします。

 教育費を含めた年間支出は800万円になる一方、収入は1700万円あることから900万円が黒字になります。記載されていませんでしたが、この900万円が貯蓄に回っているとします。

 ただ、来年からは国内に戻り収入は額面で1100万円になるとのこと。来年の手取り収入は880万円として試算を続けます。

 来年の教育費を除く月間支出は変わらず50万円、年間で600万円とします。一方で、教育費は長女が大学を卒業しているので次女のみの100万円となり、年間の総支出は700万円になります。手取り収入880万円、支出700万円なので黒字額は180万円です。この金額が全額貯蓄に回るとすれば、早期リタイアする55歳までの2年間で金融資産を900万円+180万円=1080万円増やすことができます。