搭載エンジンはVR30DDTT型。形式名でわかるようにハイブリッドのVQ35HR型よりGT-RのVR38DDTT型に近い。400R用はターボ回転センサーや水冷式インタークーラーによって、最高出力を標準仕様の304psから405psへ、最大トルクは400Nmから475Nmに引き上げられている。

日産スカイライン400Rエンジン2997㏄・V6DOHC24Vツインターボ 405ps/6400rpm 475Nm/1600~5200rpm 低回転域から豊かなトルクを発生 高回転の伸びも印象的 サウンドも絶品

 走り出すとハイスペックを実感する。最大トルクを1600~5200rpmという幅広い回転域で発生する特性もあり迫力は満点。回転を上げるにつれてトルクがリニアに上乗せされ、4気筒とは別次元のスムーズさと上質感を伝えながら、加速を研ぎ澄ませていく。しかもその勢いは高回転になっても衰えず、7000rpmまで一気に回り切る。排気音よりもエンジン音を聞かせる演出を含めて、6気筒ならではの滑らかさと圧倒的なパワーに酔いしれる。

400Rは、BMWでいえば
M3に匹敵するほどの高性能の持ち主

 現行スカイラインのデビューは2013年。各部は決して新しくない。しかし世界初のステアバイワイヤのステアリングシステムは熟成され、電子制御ショックアブソーバーを採用した足回りは、ボディサイズを考えれば軽快な身のこなしを実現している。足回りのグリップレベルはハイレベル。後輪駆動スポーツセダンならではの楽しさが堪能できる。

 400Rは、BMWでいえばM3に匹敵するほどの高性能の持ち主でありながら、外観はおとなしい。

 他のV6ターボ搭載車との相違点は、リアのエンブレム、ガンメタ仕上げのアルミホイール、レッドのブレーキキャリパーくらいだ。この控えめな演出が、かつてスカイラインの代名詞だった“羊の皮を被った狼”というフレーズを思い出させてくれる。

 400Rには、スカイラインの走りの伝統が結実している。生粋のドライバーズカーといえる存在である。