若者は、検索するけど「ググらない」
イマドキの若者は「ググらない」。といっても検索しないわけではなく、Googleなどの検索サイトを利用しないのだ。ではどこで検索するかといえば、SNSだ。
例えば、ランチに行きたいと思ったとき、若者はInstagramを開き、ハッシュタグを使って飲食店を検索する。「#渋谷ランチ」といった具合だ。Instagramは画像や動画中心のSNSなので、おしゃれな盛り付けの料理やとろけるチーズがかかる様子などが閲覧できる。投稿には店舗へのリンクが設置されているので、そこへ向かえばいい。Instagramは6月17日、地図でのスポット検索もサポートしたので、今後はこれまでグルメサイトで検索していた人たちも囲い込む可能性がある。スポットにはユーザーの投稿とともに企業公式アカウントも表示される。
SNSで検索するのは若者だけではない。例えば電車が遅延したとき、Twitterで遅延情報を調べたことはないだろうか。豪雨や地震などの災害、最新ニュースもTwitterですぐに得られる。
なぜSNSでの情報取得が人々の心をつかみ始めているのか。それは、「信頼性」と「即時性」だ。
Instagramの投稿は、一般の人がスマホのカメラで撮影したものがほとんど。プロのカメラマンがライティングして美しく撮影したものではないため、その分信頼できる情報と判断される。投稿の文章も、インフルエンサーをのぞけば、一般の人の感想だ。つまり口コミのような信頼性を持っているのだ。
Instagramはポジティブな投稿が好まれるのでネガティブな感想は少ないが、Twitterでも検索すればさらに率直な感想が得られる。Instagramでは「この服は薄手で夏まで着られそう」、Twitterでは「生地が薄すぎてびっくり。透けるから注意」という違いだ。
そして、その即時性も評価されている。知りたいことを検索サイトで検索しても、古い情報やまとめサイトなどが上位に表示され、求めている情報にたどり着かない。もし新発売のコンビニスイーツについて知りたければ、SNSで検索した方が速いのだ。
たとえ今日発売されたばかりの商品でも、SNSにはいち早く入手した人の投稿がある。投稿を見た人たちはすぐコンビニに行き、該当商品を手にして「新商品ゲット!あと一つだった」などと投稿する。周囲よりも速く流行に乗れば、SNSで注目されるからだ。こうしてTwitterで話題のキーワードを表示する「トレンド」に掲載されたらしめたもの。企業がマーケティングを仕掛けなくても、ユーザーによって認知が拡大する。