本書の要点

(1)「管理職に打診される」ということは、あなたの働き方や成果が認められた証拠だ。今の時点で自信がなくても、思いきってやってみよう。
(2)管理職になってもプライベートを諦める必要はない。管理職になると自分でコントロールできる範囲が広がるため、むしろ両立しやすい側面がある。
(3)管理職の仕事は「チームで成果を出すこと」「人のマネジメント」である。「自分一人でがんばる」ことを手放し、実務は部下に任せていこう。
(4)夫が協力的でなくとも悲観しないようにしたい。自分のあり方次第で相手は変わっていくものだ。

要約本文

◆管理職になってしまった!
◇私に管理職なんてムリ!

 管理職を打診されたら、男性は素直に喜ぶ人が多い。一方女性は「私で大丈夫?」「私にはムリ」と、不安や自信のなさから尻込みする人が多いようだ。

「管理職に打診される」ということは、会社や上司から「管理職に育つ可能性がある」と考えられている証である。そして、成果のみならず、成果に至るプロセスが評価されている。目標に対してどう行動したか、どのように周りに働きかけたか、問題が生じたときにどう対処したか……。管理職の素養があるからこそ、会社側はあなたに声をかけたのである。

 また、昇進したらすぐに「管理職として活躍する」のではなく、「管理職として育つ」ことを期待されているという点を覚えておきたい。管理職という職務に対して努力していくことこそが、打診された時点で求められている。

 まずはここまでやってきた自分を認めよう。それが自分らしく、管理職という役割を楽しむための第一歩である。

◇人を引っ張っていくタイプじゃない!

 リーダーには「こうあるべき」という、唯一無二のスタイルがあるわけではない。著者が初めて管理職になったとき、「あるべきマネージャーの姿」を体現するべく、リーダーシップの本を読み、リーダー研修を受講した。しかし逆に、「私にはそんな風にできない」「人を引っ張っていくタイプではないのに」と、落ち込む日々が続いたという。