本書の要点

(1)99%の平凡な人たちと1%の特別な人たちを分けるものは、優れたアイデアを持てるかどうかではない。実行力の有無である。
(2)目標達成には、成功への「ルート探索」と、障害物をいかに乗り越えるかという「プロセスの視覚化」が必要だ。
(3)成功者は「終了デッドライン」だけでなく、いつから始めるかという「開始デッドライン」も同時に設定している。単純で楽な仕事へ逃げず、重要な仕事から手をつけるようにするためだ。

要約本文

◆真の競争力とは
◇99%の凡人と1%の特別な人を分けるもの

 勉強ができる学生とできない学生。成功する人と失敗する人。一歩踏み出せる人といつもその場にとどまっている人。こうした人たちの違いは、いったいどこにあるのだろう。

 たとえばスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツは、すばらしいアイデアを持った最高のCEOだ。だが彼らが偉大なのは、秀でたアイデアがあったからではない。アイデアを実行に移したことからこそ、彼らは偉大な成功を手にしたのだ。

 99%の平凡な人たちと1%の特別な人たちを分けるものはここにある。99%の平凡な人たちは、すぐれたアイデアを持っていても実行に移さない。一方で1%の特別な人たちは、かならずアイデアを行動に移す。望むものの違いではない。ひとえに実行力の差なのである。

◇実行力は技術

 多くの人は、朝の運動習慣や悪い癖を直す決心をしては三日坊主になり、自分の意志の弱さを嘆いて自分を責める。しかしこれは間違いだ。

 実行力は生まれもった資質や意志の力などではなく、ある種の「技術」である。ピアノの演奏や車の運転と同じく、練習すれば誰でもうまくなる。

 本書では、実行力を高める方法を「決心―実行―維持」の3段階で紹介する。アイデアを実行に移して成果を出すには、かならずこのステップを踏まなければならない。また、なぜわたしたちが実行に移せないのかを心理学的な分析とともに明らかにし、解決策を提示していく。