FAXの代替手段とは?
筆者の経験則

 当面、FAXを廃止するにはどうしたらいいかを、筆者の経験から説明しよう。

 あらかじめお断りしておくと、筆者は特別にデジタルに強いわけではない。仕事やプライベートなやりとりでメールやSNS(3種類くらい)を使うし、パソコンで文書を作る作業は多い。とはいえ、情報ツールに関する知識や使いこなしの度合いは年齢並み(63歳だ)の平均くらいだろう。

 つまり、フェイスブックに食べ物や旅行の自慢話などを書き込んでいる暇な初老男性と同レベルだ(食べ物や旅行の話を書きたいとは思わないが)。つまり、官庁や会社の幹部クラスの管理職なら、筆者程度のことはできるはずだという前提で考えてもらっていい。

 筆者は、5年前に年賀状をやめ、3年前にFAXを完全に廃止し、近い将来オフィスと自宅の固定電話を解約するか否かを検討中だ。

 FAXについては、10年近く前から自分では発信しない状態になっていたのだが、受信だけできるようにしていた(受信はパソコンで。直接印刷はしない)。しかし、来るのは用のないセールスのFAXであったり、送付先の番号違いと思われる誤送信FAXであったりで、手間と紙の無駄(プリントした場合)であった。

 仕事柄、原稿や書籍のゲラをやりとりすることが多いのだが、プリントに手書きで赤入れした場合でも、赤入れ後のプリントアウトをスキャンしてPDFファイルをメールで送る方がFAXよりも手間がかからない。

 また、枚数が少なく手元にスキャナーがない場合は、スマートフォンで写真を撮って送ると用が足りることが分かった。もちろん、PDFをタブレットに読み込んで直接修正する方法でもいいのだが、「紙ベースで作業をしたい」と思っていてもFAXなしで問題ないのだ。

 仕事に必須でないと分かると、FAXの連絡を絶ってしまう方が無駄やコミュニケーションのミスがないので好都合だ。それで、FAXの受信もやめることにした。以来3年間、一切困っていない。注意が必要だと思ったのは、ホームページや同窓会の住所録などに載っていたかつてのFAX番号を削除しなければならなかったことくらいだ。