少しずつ元気を取り戻し、体力もついてきたのか、「運動と太陽は嫌い」とおっしゃっていたのに、日曜日にお子さんと外で遊べるまでになりました。

 もともと高かった記憶力も取り戻し、経営者としての仕事もこなせるように。ヒスタミンタイプだけに、本来の優秀さを発揮できるようになったのです。

アトピー体質は悪いことばかりではない

 アトピー性皮膚炎の原因はさまざまありますが、患者さんを診ていると、その根底には、「自分が皮膚のケアをちゃんとしていなかったから、こうなってしまった」と、自分を責めておられる感覚が強いと感じます。

 お子さんがアトピーの場合は、お母さんが自分を責められているケースも多いです。「ほかの人は○○を食べても大丈夫なのに、自分が食べられないのは、人として劣っている、欠損がある」とさえ思っている人もいます。

 でも、それは逆です。ヒスタミンタイプの人は、本来とても優れた能力のある人なのですから。先ほどのAさんのケースのように、食生活を少し見直すだけで、ヒスタミン遺伝子タイプの人のベストパフォーマンスを引き出すことができ、アトピーが改善するだけではなく、“最高の自分に出会える”のです。

(監修/スクエアクリニック院長、日本抗加齢医学会専門医 本間良子、スクエアクリニック副院長、日本抗加齢医学会専門医 本間龍介)

本間良子(ほんま・りょうこ)
スクエアクリニック院長。日本抗加齢医学会専門医・評議員。米国抗加齢医学会フェロー。米国発達障害児バイオロジカル治療学会フェロー。日本医師会認定産業医。聖マリアンナ医科大学医学部卒業後、同大学病院総合診療内科入局。副腎疲労の夫をサポートした経験を活かし、米国で学んだ最先端医療に基づく栄養指導もおこなう。

本間龍介(ほんま・りゅうすけ)
スクエアクリニック副院長。医学博士。日本抗加齢医学会専門医・評議員。米国抗加齢医学会フェロー。米国発達障害児バイオロジカル治療学会フェロー。日本医師会認定産業医。聖マリアンナ医科大学医学部卒業、同大学院医学研究科修了。自身が原因不明の重度の疲労感に苦しんだことをきっかけに、アドレナル・ファティーグ(副腎疲労)の提唱者であるウィルソン博士に夫婦で師事。帰国後、日本初の副腎疲労外来を開設。近年は、副腎疲労治療を応用し、アレルギー治療や認知症状・発達障害などにも治療効果を上げている。