煮卵

「卵に含まれるコリンは脂質の代謝をサポートする働きがあり、アルコールの飲み過ぎで起こる脂肪肝の予防が期待されています。卵は完全栄養食ともいわれていて、良質なタンパク質も豊富なので、ダイエットにおすすめですよ」

もずく酢

「もずくやオクラなどのねばねば系の食べ物には胃の粘膜に膜を張ってアルコールの吸収を穏やかにする水溶性食物繊維が豊富に含まれています。特にもずくの水溶性食物繊維であるフコイダンは余分な塩分やコレステロールを排出して血圧や血糖値の上昇を抑える効果があります。さらにお酢にもエネルギー代謝を上げ、糖質の吸収を緩やかにする働きがあるので、組み合わせの相性が良いおつまみです」

熟成キムチ

「アルコールを分解するときに生まれるアセトアルデヒド。これをさらに分解するときにキムチに含まれるナイアシンの作用が働くため、二日酔いの予防になります。乳酸菌と食物繊維も豊富で腸内環境を整える効果も。塩分が少々多いのが気になりますが、エビなどのうま味成分が入っているので、単に漬物をつまみにするよりも塩分を抑えられますよ」

ミックスナッツ

「ミックスナッツはどんなお酒にも合いますし、ビタミン、ミネラルが豊富なスーパーフードです。若返りのビタミンとよばれるビタミンEが豊富で強い抗酸化作用もあります。良い油や食物繊維が含まれているのでアルコールの吸収を遅らせる効果があり、二日酔いの予防になりますよ。悪玉コレステロールを減らす働きも注目です。

 できれば素焼きのものを選ぶのがいいですが、おつまみはスナック派!という方はまず手に取りやすい塩分ありのミックスナッツから始めてみましょう」

サバの塩焼き

「青魚に含まれるDHA、EPAには脂肪燃焼効果があります。特にサバにはDHA、EPAが多いのでダイエットにもぴったりです。良質なタンパク質で糖質、脂質の消化を促すビタミンBも豊富。肝臓の働きを助けるタウリンも入っています。まさにお酒を飲みながらダイエットするために必要な栄養を補うおつまみといえるでしょう」

ダイエット中も晩酌を諦めない!
無理のない痩せ習慣を

 何かとストレスの多い自粛生活。晩酌しながらダイエットは難しいと思いがちだが、カロリーや栄養面を気にしながら適切なおつまみを選べば両立も不可能ではない。今回話を伺った安達さんいわく「まず続けることが大事」。

 シビアな制限をしてリバウンドを繰り返すよりも、自分のできる範囲で長く楽しく続けるのが肝である。栄養バランスとカロリーにさえ気を付ければ、〆だって我慢しなくていいのだ(飲み過ぎにはくれぐれもご注意を)。
 
 このご時世だからこそ、上手におつまみを選んで晩酌をたしなみつつ、コロナ太りに打ち勝とう。

(監修/管理栄養士 安達春香)

安達春香/管理栄養士。大阪府出身。大阪国際大学短期大学部を卒業後、栄養士免許を取得。3年間栄養士として実務経験を積んだ後、管理栄養士免許を取得。食品会社で研究開発などに携わり、現在はウェブライターに。モットーは「おいしいものは我慢しない」。