解決方法は実はシンプル

 解決方法は、とてもシンプルです。相手にひるまず、事前に一言「大事なことですので、記録させていただきます」と言って、録音を始めたらいいのです。しかしそうすると、クレーマーは十中八九、先に紹介した例のように「プライバシーの侵害」を声高に叫ぶでしょう。多くの方は、この言葉にひるんで対応中の録音、録画に踏み切れません。クレーマーは相手の言葉尻をつかんで、心のマウントをとろうとするため、相手の「どうしよう」という不安な気持ちを上手に引き出してきます。いわば、これは作戦なのです。

 ではどう切り返せばいいでしょう?これへの回答もシンプルです。

「不快な思いをされたでしょうね、申し訳ありません。大変重要なことです。大切なことなので、上司にも報告しなければなりません。今後の対応のためにも重要ですので、記録させていただきます」と、同じ趣旨の文言を繰り返すのです。

 大切なのは、この記録録音が今後の対応で必要不可欠であるとはっきり告げること。逃げ腰の状態では、相手の剣幕に押し返されてしまうからです。