ワクチン接種の先進国では
コロナ共存型の経済運営が確立しつつある

 一方、デルタ株による感染の拡大は、米国での再拡大などをはじめとして世界的にも拡がっている。ところが、先進国ではワクチン接種が日本より進んでいることもあり、そして何よりも金融緩和の継続とこれを財政赤字が後押しするマクロ的な追い風が強力で、世界全体の株価は直近では上昇基調にある。

 ワクチンを接種してもデルタ株に感染することはあるし、重症化することもあるが、感染・重症化とも確率は顕著に低下する。また、ワクチンは「3回目の接種」が視野に入っている。進んでいる国では「コロナ自体は簡単には終わらず、今後も別の変異株は現れるだろうが、ワクチン接種を進めつつ経済を再開し、必要が生じたらロックダウン等の措置を取る」といったコロナと共存する経済運営の方法を見つけつつあるように映る。

 インフルエンザと学校に例えると、生徒は適宜予防のワクチンを打ち、流行シーズンを迎えても学校は通常の授業を行う。感染が集中したクラスや学校は一時的に学級閉鎖や学校閉鎖を行う、といった具合だ。

 わが国は、何よりもワクチンの確保と接種を進める必要があるが、飲食店の制限だけに偏ったいびつな対策で「やっているふり」をしつつ流行の収束を祈る方法から脱却しなくてはならない。徐々に経済活動もその他の社会活動も、コロナと共存しながら拡大していくことが求められる。

 デルタ株流行のピークはまだ先かもしれないし、医療の逼迫は間違いなく現状よりも悪い局面が訪れるだろう・しかし、基調としてワクチン接種が進んでいることを考えると、現状は「この先が最も悪く見える時期」である可能性が大きいように思われる。

日本株投資に「強気」になれる
3つの理由とは?

 これらの状況を踏まえると、日本株に関わる株式投資について、現状で「言えそうなこと」は以下の3点だ。