山口 “新しいメディアにおいて、音声がキーになるだろう。もともと15世紀くらいまで、人間には黙読の習慣がなかった。幼児はいまだに黙読ができない。人間は、音声がすごく鍵になってくると思う”、と。これ、今のClubhouseにつながる話でもあるなと思いました。

尾原 そうですね、まさに。

山口 あともう1つが、「パッケージにする」という考え方も消えていくんじゃないか?という視点。テレビという枠組みを離れると、番組という形態も消えるかもしれない。インターネットは、局数も時間も無限にあるから、1時間とか30分で区切る意味がない。

 例えば、山登りのドキュメンタリーをテレビでやろうとすると、準備して、登って、撮影して、最後に編集して音楽を付けてナレーションを付ける。

 1時間番組だと1時間の番組をすることになるけど、これからは、準備をするところからずーっとリアルタイムで追いかけていく方向になっていくんじゃないか?

 その過程で、受け手側もいろんな意見を出して介入していくようなことになると、番組やコンテンツを作ること自体が、完成品を作って届けるという考え方じゃなくなる、という話をしていて。

尾原 すげー。