中国の厳しい防疫体制
いつまで続く?

 中国はこの厳しい防疫体制をいつまで続けるのか。

「少なくても来年2月の北京冬季オリンピックまでは、今の体制は緩めないだろうと聞いています。今、中国国内では『感染は抑え込んだ。ウイルスはすべて外から入ってくる。危険なのは外だ』と繰り返し訴えています。中国政府は『市民の命を守る』ことを前面に押し出しているので、そう言われてしまうと、表向き異を唱える人は誰もいない状態です」(青島在住の日本人)

 中国政府は、新型コロナウイルスで人的往来が大きく抑制され、内向きになったことを好機とばかりに内需主導型の成長を柱とすると「双循環」という成長戦略を打ち出している。

 一党独裁の中国では、コロナ禍とは関係なく、元々中国人の海外旅行は許可制で、全面解禁されているわけではない。

 近年、中間層が拡大したことによって海外旅行を求める声の高まりに応じて、しぶしぶ許可人数を増やしてきた。だが、海外、特に日本や欧米などの自由主義国へは行かせたくないというのが中国政府の本音だ。そのため、いろいろな理由を付けて日本などへの渡航を禁止したり、人数を制限することを繰り返してきた。さすがに、対米渡航制限は米国からの猛烈な反発を懸念してか、これまで日本のように言いがかり的な理由での大規模な制限は確認されていない。