百貨店のクラスターは
「職場でのクラスター発生」の一つ

 東京や大阪では第5波の時期、百貨店でのクラスター発生が問題になってきました。以前の因果関係では百貨店は顧客で密になるから危険だという考えだったわけですが、第5波の状況については別の説明が必要かもしれません。

 確かに最初の感染は、密になった売り場で外部からコロナが持ち込まれて百貨店の従業員に感染者が出たのかもしれません。ただ、その後指摘されたことは、それがクラスターになったのは職場内感染だからという説明です。

 百貨店のバックヤードに行ったことがある人はご存じだと思いますが、従業員のための更衣室や休憩室はそれほど広くはなく、休憩時間には他店舗の従業員と同じ狭い場所に集まることになります。接客中は従業員同士は距離が保てていても、実際には職場内で密になる時間ができてしまう。つまり百貨店でのクラスター発生は、それ以外の職場でのクラスター発生とメカニズムは同じだとも解釈できるのです。

 そのような状況になった今、コロナ収束には「職場、学校、家庭を封鎖せよ」ということしかないわけで、そんなことはできないからというまっとうな反論から半ば政府もお手上げ状態になってきたわけです。