コロナ禍と薄毛・白髪は関係あり!?
世界各国で研究発表が続々

 筆者は遺伝的にAGA(男性型脱毛症。いわゆる薄毛)なので、いずれ自分にもAGAが訪れるであろうことは運命として受け入れている。問題は「その時期がいつ来るのか」という点に集約されており、やはりその時が訪れるのはおそろしく、20代の頃からずっと気にしている。しかし、現在のところはまだ主だった変化がない状況である。
 
 自分の頭頂部の状態はなかなか確認できないので、妻には「AGAの兆候を発見し次第、嘘偽りなく報告してくれること」と通達してあるが、妻に重い十字架を背負わせている自覚はあるので、できることなら妻より先に自分で発見したい。

 そこで頭頂部を手で触って確認し「あれ?ちょっと薄くなってきているか…?いやそんなことないか…?」と迷ったり、風呂の排水溝にたまった抜け毛を見て、「こんなに抜けているなんて、とうとう来たか!?」と恐々とする日々を送っている。この不安な心境は、おそらく結構な割合の男性に共感いただけるのではないか。
 
 薄毛・白髪の研究は頭のいい人たちが昔から今に至るまで一生懸命やってくれているが、「“遺伝的要因”と“健康状態”が密接に関わっているのではないか」というのが一般的に知られている知識である。
 
 研究は日夜行われているから、常に時代の最先端を行っている。

 現在は世界的なコロナ禍にあって、「心理的ストレスの増大は、ストレス性皮膚疾患(=テロゲン脱毛)の経過に影響を与え、疾患の増悪につながる可能性あり」というイタリアの論文(『Nicolò Rivetti et al., MANAGEMENT OF TELOGEN EFFLUVIUM DURING THE COVID-19 EMERGENCY: PSYCHOLOGICAL IMPLICATIONS,』2020年5月22日)や、「円形脱毛症患者数がパンデミック前と比較して有意に増加している」という論文(『Dursun Turkme et al., Evaluation of the effects of COVID-19 pandemic on hair diseases through a web-based Questionnaire, 2020年6月28日』)が発表されていて、どうやらコロナ禍のストレスによって世界的に薄毛・白髪の問題が加速しているらしい。
 
 そうしてみると、筆者も最近白髪が急速に増えた気がするのだが、これもコロナ禍と無関係ではないのかもしれない。
 
 コロナ禍の薄毛・白髪問題はストレスが主な原因であるようだが、他に「眼精疲労からくる血行不良による髪質の低下」や「ブルーライトを浴びて睡眠の質が低下し、育毛の質も下がる」といった可能性も指摘されている。どちらもスマホやPCを長時間使うことで被りうる健康被害であり、確かにコロナ禍でこれらの利用時間が増えた。
 
 コロナ禍の被害は実に幅広いが、髪の毛にもダメージをもたらしているようである。