技術の進歩のおかげで運動量と脳の関係が盛んに研究されると、文武両道は脳にとって“あたりまえ”の反応なのだとわかった。運動は脳の機能を押し上げて、感情コントロールさえしてくれるのだ。運動が脳の働きをどれだけ向上させるかを研究し続ける「脳活の権威」ジョン・J・レイティ博士に、7つの問いをぶつけた。(マガジンハウス『ターザン』2021年6月10日号特集「運動は、なぜ脳に効くのか?」より転載)

2021年、レイティ博士が考える
脳と運動の関係とは?

脳を鍛えるには運動しかない!「脳トレの権威」が教える7つの極意ジョン・J・レイティ博士
ハーバード大学医学大学院臨床精神医学准教授。運動と脳の研究領域における世界的第一人者。教育、企業、個々のライフスタイルを運動によって再設計させるという世界的ミッションに携わる

 運動することで脳をベストの状態に導くことができる。2000年代以降、神経科学の分野では運動と脳と心の生物学的な結びつきを示す発見が次々に報告された。実験室のラットで計測し、人間で確認した極めて科学的な事実である。

 多くの人が知らずにいたこの情報を一般にもたらしたのが2008年にアメリカで上梓された『SPARK』(邦題は『脳を鍛えるには運動しかない!』)、著者は精神科医のジョン・J・レイティ博士だ。

《運動が脳のはたらきをどれほど向上させるかを多くの人が知り、それをモチベーションとして積極的に運動を生活に取り入れるようになること》が当時の執筆の動機。上梓から13年、なお研究を続ける博士に『ターザン』が問いをぶつけた。