●「筋トレができない日」を防ぐための予防策
(1) 朝食が遅くなると昼休みになってもお腹が空かないので仕事をしてしまう。そうなると、もう仕事モードになってしまって筋トレのために中断できない。
→8時までに朝食をとれたらいつも通りのポリュームで食べ、8時以降の場合は、昼食時に空腹を感じる程度に軽めに済ませる。

(2) 昼休みを十分に確保できないときには、筋トレがしたくてもできない。そして、「したいのにできない」と思うことで返ってイライラしてしまう。
→筋トレメニューを2パターン用意。フルバージョンの他に、5分で終わる短縮版もつくる。

(3)昼食の量が多すぎたり少なすぎたりしてもやる気をなくす
→食後、十分に腹ごなししてから運動をするほどの時間はない。快適に運動をできた食事メニューや量を参考にルーティーンに入れる

 前述のシェフAさんの場合は、睡眠をしっかりとることで気力と体力を充電していましたが、Bさんの場合は、朝食と昼食を適切な量とタイミングにすることで、したいことをするための気力と体力を手に入れました。

「足し算」で生活パターンを変えられない人は「引き算」を

 在宅勤務になって、以前ほど昼休みを確保できていない人はとても多いように感じます。筋トレ以前に、昼食を取ることができていない人も少なからずいるでしょう。でも、昼食で栄養補給することは午後の生産性を考える上でもプラスになるはず。それに、食べるときと食べないときでは、仕事終わりの疲労度も違うかもしれません。昼食を取れた日と取れなかった日の時間の使い方は何が違うのか、原因の中に対策を講じられるものはないか、一度考えてみるのもおすすめです。

 仕事だから日中の時間の使い方を変えるのは無理。でも、仕事終わりは疲れて何をする気も起きない……そんなときには、「何かする」ことではなく、引き算することを考えるのも良いかもしれません。たとえば、友だちとのオンラインゲームの開始・終了時間 を30分ずつ早める、晩酌の終わりの時間を決める、家事のこだわりを一つ手放す、などというように、何か引き算することで、自分のエネルギーの“漏電”を防ぐのも一案です。

 頑張る前に、まずは気力と体力を充電させること。ストレスを感じやすい今、それは大切なライフスキルのひとつかもしれません。

(栄養士・食事カウンセラー 笠井奈津子)