ポイントの原資はどこから来るのか?

 そもそもポイントは、従来「おまけ」とされてきた。とはいえ、ゼロからおまけをひねり出しているわけではなく、どこかにそれが乗っている。カードの年会費や、加盟店から取る手数料、あるいはリボ払いやキャッシング利用者が払った手数料の中から、還元ポイント分を捻出している構造だ。

 クレジットカードが毎月リボ払いを勧めてきたり、スマホ決済アプリに「お金を借りる」というメニューができたり――というのは、ポイントキャンペーンの大盤振る舞いと無関係ではないだろう。スマホ決済アプリ事業者いわく、加盟店からの決済手数料は大きな稼ぎにならないという。それよりも力を入れたいのは個人向け融資(貸付)事業で、その金利収入がビジネスには欠かせないようだ。

 2019年に行われたキャッシュレス・ポイント還元事業の時に、政府が加盟店への決済手数料を下げろと締め付け、3.25%以下(さらに、その3分の1を国が補助)に抑え込んだ(参照)。決済手数料の高さが、小売店にキャッシュレス導入を躊躇(ちゅうちょ)させるボトルネックになるからだと断じたからだが、還元事業後にも「決済手数料は今より下げる努力を」という姿勢を国は崩さない。

 しかし、手数料引き下げは、ポイント原資が減ってしまうことにつながる。もし、そうなると、ますますリボ払いや個人向け融資を誘うアピールが激しくなるのではないか――と少し気がかりだ。また、現在会費が無料のカードにも、「年間利用額○○万円以上」という条件が付く日が来るかもしれない。利用規約の改定には注意を払おう。